風の誘い Mind of Shikoku

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help リーダーに追加 RSS 狐の嫁入り

<<   作成日時 : 2008/06/07 00:13   >>

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6/4は思わぬ大雨で、徳島県・鳴門徳島地方でも珍しく「大雨警報」が発令された。
・・・と、騒いでいるのは四国でも徳島と高知だけなのである。

美馬市で会議があって出かけた帰り、ウソのように晴れた。
おっ、いい天気になった!・・・と車で走っていると、「狐の嫁入り」に出会った。
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・・・新潟では「狐の嫁入り行列」というお祭りがある。↑
はは、何のこっちゃ?
・・・知らない読者もいるかもね?
空は晴れているのに雨が降ってくる現象のことを「狐の嫁入り」という。
なんとも、情感のある言葉だね。
「天泣(てんきゅう)」とも「天気雨(てんきあめ)」ともいう。
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太平洋側と瀬戸内海側では、こんなにも雨の降り方に差がある。
高松や松山では、「シトシト」降っているだけなのである。
暴れ川で知られる四国三郎・吉野川と長いあいだ闘ってきた徳島県。そのすぐ北隣の香川県は、長いあいだ水(干ばつ)と闘ってきた。
距離にしてほんの数十kmしか離れていないのに・・・
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では、久しぶりにここから「物理」の話にしよう。

雨がどうしてできるか?
正確に説明できる人は少ないだろうなぁ。
雨を降らすのは「雨雲」だというのは、見てのとおりよく判る。
「積乱雲」とか「乱層雲」とかがその代表だ。
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・・・では、雨雲の中でどうして雨粒ができるか?
これをちゃんと説明できれば、「気象オタク」として認めよう!
これを説明するのは、かなり難しい。

「そんなの、雲の粒が衝突してだんだん大きくなって雨粒になるじゃぁ〜」・・・
と思ってる方、間違いです。

どんなに湯気の立ち込めるお風呂の中で100万年待っていても1滴の雨粒も落ちてこない。
水蒸気の粒は衝突による成長では雨粒にまで大きくなれないのである。
微小な水滴は不思議なことに衝突軌道で別の雨滴が落下してきても、衝突を避ける軌道をとるので、ほとんど衝突することはない。

雲は垂直方向に、たかだか10kmの高さしかないのに、滝のような豪雨を降らせることもある。
この大気のどこにそんなにたくさんの水が存在しているのか?
ほんとに不思議な現象なのである・・・
雨が降るのが当たり前すぎて疑問に思わないだろうけどね。
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答えは「過冷却飽和水蒸気」なのである。
水(H2O)は、1気圧の圧力のもと、たった0℃〜100℃の温度差で、固体・液体・気体のそれぞれの状態で存在する「特殊」な物質なのである。

気体の水蒸気を含んだ大気は、何らかの原因で上昇すると気圧が下がり、温度も下がる。
温度が下がると同じ体積中に気体として存在できる水蒸気の量(気圧)は少なくなり「飽和」する。
その「露点」温度よりも気温が下がると、気体の水蒸気は、ついには液体の水滴として大気中に浮遊することになる。
・・・これが「雲」だ。知ってるよね。

物理では「気体の状態方程式」で表される。
「pv=nRT」ってやつ、ボイルとシャルルっていう、オッサン達の発見した定理だ。
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水蒸気の水は液体の1700倍もの体積になる。
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しかし、現実は飽和度が100%を越えても気体から液体への「相転移」は起こらない。
飽和度400%になって初めて気体は液体として相転移する。
大気中には「エアロゾル」と呼ばれる微小な粉塵や化学物質や海水の飛沫が存在し、これらが凝結核になって結晶することができるのであって、実際の大気では飽和度が102%で相転移が起きる。
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海水の微小な飛まつがより多く浮遊している沿岸部が内陸より雨が降りやすいのはこのためだ。

都市部で豪雨が頻繁に出現するようになったのは、排ガスなどの粉塵や化学物質の浮遊する量が多いためだと考えられている。
実はこの凝結核に過飽和になった水蒸気が、液体になろうとして凝結する現象のおかげで、大気汚染は常に洗浄されている訳で、地球大気に「降水」という現象がなかったら、今頃、前が見えないほどガスった猛毒の大気になっているだろうね。

「酸性雨」に代表されるように、雨は大気中の汚染を、凝結核として洗い流すから、雨に打たれるのは汚れた洗浄液を被るようなものだから、おすすめしない。
特に最近では西日本が、中国の工業地帯の汚染された大気が偏西風で流れ込んできて、ちょうど西日本の上空での降水が多い。
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・・・雨といっしょに大気中の汚染物質はほとんど全て落ちてくることになる。
それほど、「過飽和」という状態は化学物質を核にして水滴になりやすい。

さらに大気が上昇を続け、気温が氷点下になると、液体の水は固体の氷になるんだけど、すべての水滴が固体にはなれないのである。
液体が固体になるためには、やはり凝結核が必要なのである。
核がなければ−40℃までは、水滴は液体のままで凍ることはない。
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液体が固体として「結晶」するためには、「結晶核」が必要だからである。
化学的には凝結核や結晶核のことを「触媒」ともいうんだけど・・・
つまり、氷点下の気温なのに液体の水粒が存在する状態・・・「過冷却飽和」の状態なのである。

この過冷却で飽和した液体の水滴が存在する大気の中に、氷晶が上昇気流で吹き上げられたり、より高い雲から降りてきたりして「混在」すると、固体になれなかった「過冷却」の水滴は、氷の粒を核にして一気に固体になろうとして氷にくっついて結晶し、短時間で大きな氷の粒に成長する。(気温の低い上空では雪として成長する)
このメカニズムを「冷たい雨」のシステムと気象の世界では呼んでいる。
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・・・上の画像のレーダー画像。2004.8.1はこんな天気だった。↓
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氷の粒が大きくなると重力が働き、浮遊していられなくなり地上へ落ちてくる・・・
下層は暖かいから溶けて雨として降水するわけだ。

熱帯のスコールなど、雲頂でも氷点下にならない雲もある。
凝結核は海水の飛沫がほとんどで、水滴は雲の中で成長する。
熱帯は気温が高いから、上昇する大気の水蒸気の供給は莫大な量である。
熱帯のスコールが、巨大な積乱雲に発達する前に、土砂降りの雨を降らせるのはそのためだ。

四国でも熱帯性のスコールに似た豪雨がときどき観測される。
熱帯気団と同じ程度の湿潤な大気が南海上から供給される場合や、激しい上昇気流を伴う積乱雲の雲列ができるときや、上空の水滴や成長した氷粒が上昇流で何度も上空へ運ばれ雨滴の成長時間が長くなる場合など、「集中豪雨」として観測される。

日本ではこの30年間で、時間雨量が100mmを越える熱帯スコール顔負けの「豪雨」の出現頻度が著しく増加している。
日本は今、「梅雨」と呼ばれる「雨季」。

いつどこで集中豪雨が発生してもおかしくない。

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