森林生態

日本全国の森林でシカの食害が進んでいる。
「害」なのかどうかは議論が分かれるところ・・・
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山奥でシカに出逢うと心ときめく・・・シカは可愛い。
小鹿のバンビは白い斑点があってなお可愛い。

あの斑点、実は身を守るための模様で、森林の中の木漏れ日の模様。
森の中で、じっとしていれば木漏れ日とシカの模様は見分けがつかなくなる。

奈良公園に代表されるようにシカは日本では古来から森で共生してきた動物だ。
平野部に森がなくなって、生息域は山林へと移っている。
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山林は戦後の針葉樹の植林が多く植生回復力は著しく低い森になった。
シカは食料を自然林に求め、角研ぎや樹皮剥ぎで樹林は縮小している。

山林の自然森林の生態は林床が笹となっている。
シカの個体数が増えれば林床の植物を食べ、林床は明るく開ける。
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すると木の実生が増え木立が増える。
増えた樹とシカの繁殖とのバランスが森が拡大するか縮小するかの要因になる。

シカが笹の芽を食べると短く刈り込まれた背丈の低い笹原になる。
その下の土壌の温度は上昇するから昆虫の生態が変わる。
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剣山系では現在、笹枯れが増えている。
笹が枯れると四国シラベなどの樹木が植生を拡大させるチャンスになる。
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ここ10年でシカは個体数が激増した。
増えすぎたため「間引き」が行われているが、山の生態系への影響は追跡調査が必要だ。
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瓶ヶ森などシカ害の少ない山と比べると笹原の様子はずいぶんと違う・・・

何も手を加えないのが本当はいちばんいいのだけど・・・
かつて日本の森には生態系の頂点にオオカミがいたが今は絶滅した。
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ツキノワグマは雑食性だが肉食というより、木の実を食べる森の生き物だからシカを襲わない。
オオカミがいなくなって、その捕食数を人間のハンターが代わっていたが高齢化していなくなった。

森の生態系は何重にも生態システムのサイクルがある。
10年や20年で見てはいけない長いサイクルもある。
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奈良公園のシカは春日山原生林を餌場として少なくとも1000年以上の歴史がある。
その個体の密度はなんと30頭/1km四方の高密度だが原生林は生態系を維持している。

大台ケ原のシカ害は有名だが、6年前から個体数の増加は止まっているようだ。
自然林の生態系の適正なバランスがどんなものなのか・・・

高山植物は可憐で貴重なものだが、それだけを守るのが自然保護ではない。
生態系を守るということが重要なのだが、我々はまだ自然の理解度が浅い。

アメリカのイエローストーン国立公園でユニークな取り組みがある。
「Wolf project」でオオカミを森に返したところ植生が回復している。
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オオカミの群れは、テリトリーが重ならないように散在し、シカは一定のエリアに定住しなくなる。
すると植生が回復し、鳥が返ってきて森が元の姿を戻した・・・

こういう取り組みは日本では無理だろうが・・・
ただでさえ熊に襲われてニュースになる日本、オオカミに襲われれば管理責任を必ず問われる。

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豊かな自然に見える日本の森林だが・・・

森の生態系は瀕死の状態である。


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