地域資源

引き続き瀬戸内国際芸術祭について紹介します。
アートによる観光誘発の観点から・・・
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ブログ読者には観光関係の方が多いので観光資源の創造の在り方について書いてみます。
開催から2か月弱で誘発人員が30万人ですからイベントとしては大成功でしょう。
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集客目標を大きく上回わり想定の2倍以上の観客が押し寄せている要因は何か?
今後の観光の在り方について大きなヒントがあると考えられます。
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「事業遂行の体制」という実施主体のサイドと訪れる「ビジターの特性」の両サイドから分析します。
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■役割分担のコーディネート
■情報の発信の手法
■本物のアートであること

・・・要するに実施側でのポイントはこういうことかなぁ。

ビジターの意識もずいぶん変化しています。
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■洗練された美意識
■個人における情報革命


「消費ニーズ」への対応とも言いますが・・・瀬戸内国際芸術祭は少し主観が違います。
大量消費=経済効果の企業論理でのニーズではなく、地域が主体の活動が基本です。
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思えば、香川県の事業計画のプランナーは誰なんでしょうか?
ベネッセの福武財団の存在もあるでしょうが、アートに目をつけたところは感心します。
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従来の観光誘致は、旅行会社や交通事業者がキャンペーンと称して大量輸送の仕組みを作るものでした。
つまり、企業から消費者への商品提供(BtoC)が主流でした。

しかし今回のイベントは発地での誘発アプローチは何もありません。
送客キャンペーンのようなものはなく、旅行会社も積極的に旅行商品化をしていません。
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送り手の論理で、受け入れ体制を整備するのではなく、受け手側が主導しています。
どのようにそこへ行くか・・・ではなく、そこで何をするか?
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旅行会社からすればアートプロデューサーのいいなりで、事前準備が不備だと辛辣に批判。
でも、BtoCではなく、CtoCの需要を誘発するのならそれで正解なのです。
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行政も、実行委員会を組織し、事業計画と予算措置しますが、運営に関しては口出ししていません。
アーティストと地元住民が協働して作品を製作し島の暮らしを住民自身が見つめ直しています。
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観光客のためではなく自分たちがまず楽しいことを行う・・・
楽しそうな場所には、おのずと人が集まってくる、それが狙いでもあります。
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また、多くの消費者は、利便性というサービスを芸術祭に求めていません。
交通や鑑賞をパッケージした利便性より、体験や参加の質を求めています。
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交通の不便な島を巡り、着いた島の迷路のような狭い町並みを作品を探して歩く・・・
辿り着いた展示場所では順番待ちの人が並んでいることもあります。
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それはまるで、ディズニーランドのアトラクションを楽しむのと同じ感覚になります。
ディズニーシ―でわざわざ古めかしく装飾していますが、ここでは町は既に古ぼけています。
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そして、アートが本物であることがいちばん重要なポイントです。
並んで待って観る価値のない作品でショボイのならきっと怒り出します・・・
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現代アートは、意味難解なものもありますが、一流のアーティスト作品は決して難しいものではありません。
むしろ、訳が解らない現代アート「もどき」の作品がそうさせているのであって、本物は説得力があります。
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この点はアートディレクターの北川フラム氏は常に自論として、こう仰っています。
徳島LEDアートフェスティバルの講演や委員としてご一緒した上勝アートプロジェクトで感銘しました。
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アートとは、過去から現在、そして未来へ流れる時間の中で、
確かにそこに人の暮らしがあったという形跡を、
大人も子供も外国人も、訪れる人々と、そこに住まう人々が、
共に感動を共有し共鳴できる空間と時間を創造することだ・・・
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確かに、その通りのことを瀬戸内の島々で実践している訳です。
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高松港を離岸するフェリーの乗客が、岸壁で踊りのパフォーマンスを披露するチームに拍手喝采します。
豪華客船の歓迎セレモニーでもないのに、小っちゃなフェリーの甲板で乗船客がみんなで手拍子。
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こんな風景をご覧になったことがありますか?
この「ノリ」は若い人でないと無理だとは思いますが・・・今までにない交流のカタチです。
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感情に希薄だとは言われる若い人たちの方が、年配の人よりも交流することに壁がないと思います。
年配者だけの乗客なら、きっと無関心に無視して終りのような気もします。
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このビジター(消費者)のマインドもずいぶん変化しています。
アートや体験に対して非常に意識が高くなっています。
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アート作品もそうですが、洗練されてオシャレでないと評価しません。
本物でないニセものは直ぐに見破られてしまいます。
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PRに余計な投資をしなくても、より多くの事業予算を作品の制作に費やすことです。
名前さえ知らしめれば、あとはビジターが自身で情報検索する時代。
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作品が本物で共感できれば、ツイッターやブログで情報は無限に広がります。
CtoCでコミ二ュケーションはどんどん広がります。
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それは高松港でフェリーの乗船客と岸壁で踊るパフォーマーとの共鳴する様子で容易に想像できます。
実行委員会は実際、作品紹介のための詳細な観光パンフレットを作っていません。
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個人レベルでの情報革命が起きている時代。
だからこそ、CtoCは新しい情報発信の手法でもあります。
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スローガンにあるとおり芸術祭は105日間の挑戦と位置付けています。
地域資源を地域の人々自らが創造する地域活動でもあります。
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交通の整備もなく、箱モノを作ることもなく、そこにある島をフィールドとして展開する芸術祭。
他の地域でも応用できるものはたくさんありそうです。
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田舎であることそのものを観光資源にしたいという着眼もあります。
パッケージされた農村体験では、芸術祭のような意識の高い人々は興味を示しません。

「海の復権」を瀬戸内で展開しているように、「山の復権」を秘境の地で展開できないものか・・・
デオッちは、徳島・つるぎ町のモニターツアーを企画中です。
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高地性集落である、つるぎ町の山の民家の軒下で時間を過ごす「体験」を作りたい。
山地の集落で、木々が風に揺れ、鳥のさえずりを聞くそんな時間。

見ること、見せることに慣れすぎた観光開発はしたくない・・・。
肌で感じる田舎の情景を味わってほしいと思っています。
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石垣の路地にある民家の縁側はカフェテラス。
美意識を磨きに瀬戸内海へぜひお出かけください。

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